FAが選手自身の選ぶ移籍だとすれば、トレード、2次ドラフト、戦力外は球団が選ぶ移籍です。プロ野球選手のキャリアで起きるチーム移籍の大半は、実は本人の意思とは関係なく起こります。
トレードは球団どうしの選手交換です。成立する原理はシンプルで、互いに余っているものを出し、足りないものを受け取ることです。外野手があふれているチームと、ブルペンが崩壊したチームが出会えば、取引が成立します。選手にとってトレードの通告は、ある日突然生活の拠点が変わる出来事ですが、キャリアの面から見れば両面があります。レギュラー争いで押し出されていた選手が、移籍先で出場機会を得て花開く例が多いからです。反対に、チームの中心だった選手が再建方針にもとづいて有望株と交換される、という冷徹な別れの形をとることもあります。
2次ドラフトは、各球団がプロテクトリストに入れなかった選手を、ほかの球団が指名して獲得できる韓国プロ野球の制度です。プロテクトできる人数には限りがあるため、どの球団にも、惜しいけれど守りきれない選手が出てきます。所属チームでは居場所がなかった選手も、別のチームでは必要なピースかもしれない。それがこの制度の前提です。出場機会を失って二軍にとどまっていた選手にとって、2次ドラフトでの指名は、キャリアのSOSに対する事実上の応答です。実際、この制度でチームを移り、レギュラーとして復活した選手たちが、制度の存在価値を証明してきました。
シーズンが終わると、各球団は保留選手名簿から外す選手を発表します。いわゆる戦力外(放出)です。球団との契約が終わり、どのチームとも自由に契約できる立場になりますが、現実には声がかかるのを待つ身になります。戦力外のあとの道は3つです。ほかの球団のテストを受けて新しいユニフォームに袖を通すか、独立リーグで再起を目指すか、引退を受け入れるか。戦力外を告げられながら、再び一軍の舞台に戻ってきた選手の物語がひときわファンの心を動かすのは、それが野球でいちばん低い場所から始まった物語だからです。
この3つの制度に共通しているのは、選手の価値は絶対的なものではなく、チーム事情によって相対的に決まるということです。同じ選手が、あるチームでは余剰戦力であり、別のチームでは最後のパズルのピースになります。だから移籍は失敗の烙印ではなく、居場所をもう一度見つける過程です。キャリアの長い選手ほど袖を通したユニフォームの数が多いのは、偶然ではありません。
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